『黄金時代』(L'AGE DO'OR)


1930年 シャルル・ド・ノアイユ製作
監督:ルイス・ブニュエル
撮影:アルベール・デュベルジュ
主演:ガストン・モド、リア・リス、マックス・エルンスト、ピエール・プレヴェール


 なんというか、あー、教養がないのでわかりません!当時の社会的背景なり思想哲学なんか知ってれば、もう少し楽しめるのかも。かなり観念的、観想的に作られていますが、決してキライではありません。ベッドに牛がいたり、悪戯した子どもを撃ち殺したり、誤って酒をこぼしてしまった母親を恋人が怒ってぶん殴っているのを見て娘は惚れ惚れしてるし。その後も司祭を窓から投げ落としたり。皮肉っているのだろうけど、悪党どもがヨボヨボの貴族(これが冒頭のマジョルカの4人?)でそのうちの一人がキリストみたいなカッコしたやっぱりヨボヨボの男。ラストに城を出て行く男たちを追うように現れた(たぶんヤツらにさらわれてきた)娘をそのキリストのカッコをした男が殺して(城の中に連れて行き女の断末魔が聞こえる)、虚ろな顔をして現れる。鳴り響く鐘の映像で終わり。


 シナリオがブニュエルとダリ(Scenario Bunuel et Dali)とありましたが、ダリってやっぱりあのサルバドール・ダリなんでしょうね。ところどころ彼の絵画を連想させるようなシーンがありますし。作品自体がそういやシュールレアリズムだわ。こわくて『アンダルシアの犬』とか未だに観てないけど。と、ここでハタとググッてみると、『アンダルシアの犬』を共同脚本で監督デビューしたと。しかも親友とか。いえ、たまたまあったビデオを借りただけでブニュエルなんて全っ然知らなかったもの。シネフィルなんかじゃないもの、ワタクシ。と、自らの無知を曝け出し、到底言い分にすらならない言い訳をする見苦しさ。まあ、いいや。恥をかくことを恐れないと決めたし。