バベル


2006年 メキシコ
監督:アレハンドロ・イニャリトウ
出演:ブラッド・ピットケイト・ブランシェットガエル・ガルシア・ベルナル役所広司、アドリアナ・バラッザ、菊地凛子


例のピカチュウ効果はいったいドコ?という感じで、この間観たオムニバス映画のソダーバーグ編のカメラが揺れっぱなしのオープニングに「いい加減にしろよ、気持ち悪くなるべ!」と、若干キレかかったのに比べたら、全くモーマンタイだっちゅうの。

で、その『バベル』の日本編のテーマは近親相姦だったという、思わず天童荒太の『永遠の仔』のワンシーンを思い出したり。というか本は読んでいないんで、テレビドラマでやっていた時の車の中で父娘が会話するシーンだけど。専ら父親が喋ってるの。で、題名から言いたいことはまあなんとなくわかるんだけど、どうにも世界を無理に小さくこじつけすぎのような気がして、なんかなーと。同監督の時間軸をずらした手法の(救いが全くないようでいてラストにわずかな光を照らす)映画だったら『21グラム』の方が私は好きだ。

まあ、近親相姦と結論づけるのも安直だと思いますが、母親の自殺の原因はこの際関係ないとして、それを引き金にしているのか否かわかりませんがチエコの「孤独」が異常なくらいに「性」への衝動を抑えられないものとしている(歯医者に襲いかかったり)とするには説得力がない気もしますね。都会に住む多感な少女の孤独が人を動物化させている、とか?わかんねー。なんでそっちに走るのか、私には理解できませんね。それを残念とも思いませんが。