J=L・ゴダール・ナイト


『軽蔑』
1963年 フランス
出演:ブリジット・バルドーミシェル・ピコリ、ジャック・バランス、フリッツ・ラング


今回唯一まともに観れた作品。そりゃ、妻を仕事のために雇い主に捧げちまうような男なんて軽蔑もんでしょ、愛してりゃいるほど許せないってのが一般的で、その点が美人の割にタイピストなんて地味な仕事をしてたって設定の理由かしらん、とか。だってBBが貞淑な普通の妻なんて!


『万事快調』
1972年 フランス・イタリア
出演:イヴ・モンタン,ジェーン・フォンダ


終始ビニール袋をいじってる爺様がいてその音が煩くてちっとも万事快調じゃなかった。早い話、そのくらいの音にかき消されてしまうような作品だったってこと。つまらん。


『パッション』
1982年 スイス・フランス
出演:イザベル・ユペール,ハンナ・シグラ,イエジー・ラジヴィオヴィッチ


劇中劇というか映画中映画が『軽蔑』同様にアホアホで、いったいどんなメッセージがこめられているのだろうとそればかり。いやそれは『軽蔑』の時の方が強いか。ハンナ・シグラがなんかジョディ・フォスターと激似!と思ったり。イザベル役の娘はひょっとして『シベールの日曜日』の女の子なのかしら?と思うも全くの別人で、後の『ピアニスト』のオバハンでした。ま、男ってテキトウな生き物だよな、とか。


『ヌーベルバーグ』
1990年 フランス・スイス
出演:アラン・ドロン、ドミツィアーナ・ジョルダーノ


豊か流れる金髪を見てすぐ、タルコフスキーの『ノスタルジア』に出ていた女優だ!と。そういやそのパンフレットだったか、フランス語は全面吹き替えとか書いてあったようなボンヤリした記憶が。


なんかもう、4本目にいたってはゴダールはもうお腹いっぱいってな感じになっていてどうでもよく、つまり「所詮アムールボケの国の人だもの」と私の中では結論が。恋人を打っ叩いた後で熱烈なキスをするシーンなんて、『パリの恋人』でオードリー・ヘップバーン演じるヒロインをフレッド・アステアがパリの中を捜すワン・シーンにまんま使われてるし、酔って拳銃で女房を撃ち殺してから「バカな、愛してるのに!」なんて叫ぶ夫が本当にいたりして新聞沙汰になる国だもの、大統領に愛人がいたってゴシップにもなんにもならないよね。とにかく、セリフ代わりに語られる詩だかなんだかしらないがナレーションが鬱陶しい。そうそう、パリじゃ職業を聞かれて「詩人」だと言うと待遇がえらく違うとか。パローレの国の人でもあったのだった。映像が優れてりゃ説明なんていらないんじゃ?表現において言葉が時に邪魔をすることもあったりして、そう思うと演者としての(肉体)表現って「身ぶり」というか「ダンス」に…。 ようわからん。