お別れの日、ヒッキーに捧ぐ


 酷い夢をみた。

 ある女性が私を鋭い目で睨みつけた後、視線は私を捕らえたまま、薄ら笑みを浮かべて自分の手首を切り付けた。
 もちろん、本気で死ぬ気なんかさらさらない。私を傷つけたいだけなのだ。それでも、その浅い切り口から一筋の鮮血が流れ出し衣服を染めていくのを見て動揺した私は慌てて119番に電話した。
 やがて何処からともなく人が集まり出してきて、よく見るとそれは昔の同僚や親戚達で、皆責めるように無言で私を見た。声にならない会話。


それ見たことか。
自殺に追いやるなんて、なんてひどい娘だ。


 病院の待合室。背の高い男性が私の両肩に手を置いて、それから隣に腰をおろし顔を覗き込んできた。目鼻立ちが整ったその顔に見覚えはなかったが、私のことを心配しているようだった。


……。


 うう、カミナリが憎い。いいところで目が覚めてしまった。こんな夢を見たのは、お昼のどろどろドラマの見過ぎだということは言うまでもない。必死で続きを見ようとしてるのに、なんだ、この暴風雨は!


 菅なんかどうでもいいんだよ!あたしゃ続きがみたいんだよ〜。(浅香光代風)


 え〜今、カミナリが落ちたようです。