空と海と風呂と


 普段は自覚がないのだが、最近肩コリがひどい。特に左肩はズキズキと痛むくらい。目もすぐショボショボするし、手が痺れることもある。そんななか、昨夜のテレビで肩コリをほっておくと失明することもある、とかいうのをやっていた。血行不良は脳梗塞やクモ真っ赤(×)症を引き起こす危険性もあり、たかが肩コリと放置せずに速やかにほぐすことが肝心であるとか。

 で、ワタクシ、近場の銭湯に行ってそこでマッサージをしてもらうことにしました。気が変わらないよう朝からお風呂セットなどを用意し、職場に着いてからは休日によくその銭湯に行くと言っていた敬愛する先輩に「ワタクシも銭湯に行ってきます!」と宣言。すると、なんとその銭湯の回数券を気前よく二枚も下さった。らぶ。

 仕事を終え帰宅後、洗濯機を一回まわしてからスウェットに着替えてでっぱつ。車で10分くらいで到着。

 お風呂に入る前にマッサージの予約を90分後(21時)に入れる。髪を二度洗い、体を洗ってから屋外の太平洋に望む展望風呂へ猫まっしぐら。期待して行ったのだけど、暗くてガラスに写ったのはこちら側の風呂場だけ。しかたなく、頭をへりにのせて曇った空を見上げてゆっくり湯につかった。茹蛸になる前に一度上がり、また体を洗う。そしてまた屋外に。今度は壺風呂とかいう一人用のお風呂。足と腕をへりにのせ、タオルは額に。小さな星がやっと一つ二つ姿を現した夜空を眺めながら温めのお湯にのんびり。この間の皆既月食の時にくればよかったなあ、なんて残像を重ねてみる。苦手なサウナにもトライして、気がつけばマッサージの時間が10分後に迫っていた。髪の毛を乾かしている時間がなかったのでタオルドライして速乾タオルのターバンを巻いてマッサージルームへ。

 女性をお願いしておいたら、若くてカワイイ女子が担当に。右肩が凄く凝っていると耳の後ろから肩にかけて念入りにほぐしてくれた。40分、3,900円の至福の時はすぐ終わってしまう。

 廊下のベンチでモコモコの靴下をはいていると、細くて背の高い男性が通り過ぎて行った。たぶん、以前勤めていた大学のセンセイ。野暮ったい学生の多いキャンパス内を黒のスーツに黒のコートの裾をはためかせて闊歩していたから目立っていたのだ。だからお昼を一緒に食べていた女子たちからはブラック・ジャックと陰で呼ばれていた。が、そんなジャックはマンガと違い、とても地味なウスイ顔をしている。たしかこの間ユニクロでも見かけた。まあ、そんだけの話なんだけど。

 次は月と星のきれいな晩を狙って行こう。2時間以上経っているけど、体はまだポカポカして温かい。