今夜はスーパー・スター


 晩御飯はターメリックをたくさん入れた野菜カレー。おかわりしてお腹はポッコリしてるけど満足。

 今夜はとても寒そう。だけど、こんな夜は星がキレイに見えるはず。ベランダに出たらプレアデス星団(ちがうかな?)まではっきり見えるじゃない…。

 よし、もう少ししたら先日行った海の近くのスーパー銭湯へ行くぞ。

 星空を眺めながらお湯にゆったりつかるのだ。実はとても気に入って、昨日仕事帰りにチケットを買いに寄ってしまった。よくわからないのだけど"回数券の日"というのがあって、その日にしかチケットは買えないらしい。昨日がその回数券の日だった。

 私以外誰もいない、なんてのはないだろうけど、星々の天空ショーを眺めながらお風呂だなんてちょっとステキ。銭湯とか露天風呂って苦手だったんだけどね。


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 甘く見てたゼ、スーパー銭湯

 21時過ぎに着いたら、駐車場はいっぱい。脱衣所のコインロッカーもこの間の平日に来た時とは違って上段はほぼ満杯だった。が、浴室は思ったほどの混雑もなくすぐ洗い場を確保できた。前回同様、髪と体を一度洗ってから展望風呂へ。

 寒い。先ずは壺風呂、いや甕風呂だったかな。次に展望風呂。オリオン座がよく見える。動かないのが雲で、ぐるぐる移動してるのが湯気か。月がいったいどこなのかわからなくて、ちょっと残念に思いながらサウナへ。8分で頭がボーっとしてくる。再び展望風呂、壺風呂。その後、寝転び湯とかいうものを試す。湯が湧き出て温まった石の上に横になるもの。背中は温かいけど、濡れたフェイスタオルをかけただけで外気に晒された半身は最初ちょっと寒かった。でもだんだん気持ち良くなってきて眠くなる。今度はお尻にタオルをのせてごろんと俯せに。肩越しに、ライトアップされ浮かび上がった植え込みの中に赤い花が咲いてるのに気づく。

 佗助だ、と瞬間的に思った。山茶花じゃない、椿みたいだもの。でも椿と佗助って同じなの?違うの?よくわかんない。子供のころ花の首輪を作って遊んだのは椿、あれは冬じゃない。冬に咲くのは山茶花、でも真ん中の黄色いオシベは椿とそっくり。冬に咲く椿を佗助っていうのかな。つまるところ、私は佗助と椿の違いをよくわかってない。後で調べるか、と、湯気の向こうの赤いものについて、茹だった頭であれこれ考えていた。

 それからまた展望風呂に入って、流れ星見えないかな、と今度は頭の上にのせたタオルを落とさないように気をつけながら夜空とにらめっこ。流れ星は諦めて屋内に入り二度目のシャンプーと体洗い。帰ろうかどうしようか迷うも、どうせなら日付が変わるまでいるか、と、決めた。そして何度目かの展望風呂へ。

 すると、海の上にオレンジ色のハーフムーンが重そうにぶら下がっているではないか!そしてさっきまで闇の中に完璧にその存在を消していた海が、月の光に晒されてほんの少しだけ短い水平線を現した。

 これこれ、これを待っていたのよ。海、月、星、風、と、お湯につかった私。ああ、これで流れ星が見れたら最高なんだけど!と、目を皿のようにして夜空を見てたら、なんだか月があっかんべーをしてる舌みたいに見えてきた。

 いつの間にかさっきより高い位置にきていた月は、海岸の波打際までしっかり見えるように光を落としる。まるでスポットライトに照らされたステージみたいだ。主役はいったい何処?

 23:45、観客席を立って、最期にシルク風呂なる乳白色の湯に入った。気づけば3時間風呂三昧。しかも今回も先輩から頂いたチケットなのでロハ。10枚綴りの回数券を一冊買ったから、次は昼の海を見ながらお風呂に入ろうかな。夜は平日に限るけど。