金環日蝕、金星の太陽面通過、そして次は…

バジル



 仕事帰りにホームセンターに寄って、黄色のガーベラとバジルを買って帰った。


 職場の道路をはさんだ向かいに小さなイタリアンレストランがる。一度も入ったことはないが、美味しいいのか、昼にはアチコチから車で田舎のマダムたちが押し寄せてくる。普段私は短い昼休みを使って職場の周りをウォーキングしているのだが、先週、そのレストランの横を通った時、厨房出入り口脇に置いてあった空っぽのプランターに、まだ小さいバジルが植えられているのに気付いた。ああ、もうそんな時期かと、その日の帰りにホームセンターに寄った時には、既にバジルは完売した後だった。店員さんに聞くと、次は来週の水曜に入荷する予定ですが、確実に入るかどうかわかりません、と答えた。
 
 それで今日立ち寄ってみたら、若々しくてまだ茎が頼りないバジルが20鉢ほど入荷していた。それを4鉢選んでレジの横に置かせてもらい、その間にバラの枝用の支柱と生きのよさそうなガーベラを昨日のリベンジでまた買った。スーパーで買ったオレンジと黄色のガーベラのオレンジのほうが、花を包んでいるラップを外した途端に花弁がボロッと四分の一落ちてしまったのだ。


 それらを持ってレジに行くと、前の父子連れが私の置かせてもらっていたバジルに気づき、「あ、バジルだ。買っていこうよ」と言い手に取った。それに気づいたレジの人が「すみません、それはお客様のものなんです」と言うと、手を引っ込めた子供に父親はばつが悪そうに「後で買おうか」と言いなだめた。それを聞いて、おせっかいな私は「あっちにありますよ。バジル、人気だからなくなっちゃいますよ」とか言ってしまうわけだ。父親は「そうか、テレビでもやってたしな…」と呟くように言い、会計が終わると子供たちを連れてバジルの置いてあるほうに向かって行った。


 家に帰って、鉢に支柱を刺し、ブルームーンのひょろっと伸びた細い枝をくくりつける。これで多少の風が吹いても折れてしまうことはないだろう。ゼラニウムはもちろんのこと、昨年原っぱで採ってきたサフィニアもグングン成長している。


こんなだったのが、


今ではこんなに花を咲かせている。


 ガブリエルは枯らしてしまったが、ブルームーンはなんとか持ちこたえてくれた。蕾は一度全滅し、今新たな二度目の蕾をつけている。今年は8月31日がブルームーンだ。いわゆるひと月に二回ある満月の二度目の満月をさす言葉だ。意味は「滅多にない」。滅多にないことが起こる葉月の終わりに、いったいどんなことが起こるのだろう、と夢想する今宵の月は満月から3日が過ぎたようです。