ヴェンダース・ナイト


土曜の夜に、オバカが集合♪
ポン、スポーン♪ポン、スポーン♪(なんとかホッパーのマネ)

てな様相になっていた昨夜の新文芸坐までの道のり。あくまでも道のりのこと。


バス停の横の休憩所で高速バスを待っていると、まるで「おでんくん」に出てくるキャラクターのようなメイクをした婦女子が2組、癒し系の高い声で、然したる感慨もなく、人目も気にせず、「彼女がいる彼とぉ、ちょっと遊んでた時があってぇ、それがぁ、彼女にバレちゃってぇ〜・・・・」延々話は続きます。驚いたことに、起こった事実だけを淡々と語っているのです。感情は何処かに置き忘れたかのように。それとは対称的に山手線の中で声を張り上げ、まるで選挙演説でもしてるかのような力の入れようで情感たっぷりに仕事の話を熱く語っていたオバサン、この二人を大きく別ける要因はいったいなんなのでしょう。年齢だけではないような気がするのですが。

まあ、人のふり見て我が不利直せ、と。字が違うか。

つまり、黄金週間の予定が総崩れ、とは言っても、「ヴェンダース・ナイト」だけは譲れなかったわけです、はい。


新文芸坐へ到着すると、ちょうどヴェンダース様ご一行と鉢合わせ。奥様のドナータさんも友禅の反物でしょうか、黒いドレスにうまくコーディネート、私が以前からほしいと思っていた赤いスニーカータイプの靴を上手に合わせていたのがなんともニクイとこです。カコイイ。さすがアーティスト。

ヴェンダース監督はとてもフレンドリーな方で、あらかじめ募集していた質問だけではなく、ライブでの質問も受け付けたいと仰って、一つ一つの質問にそれは丁寧に答えてくださいました作品に関しても同様。そのような監督の話(たっぷり40分)を真近で聞くことが出来ただけでも価値あるものだったと思います。上映された作品は『パリ、テキサス』、『ブエナ。ビスタ。ソシアル・クラブ』と、未見だった『ランド・オブ・プレンティ』の3本。眠りこむこともなく無事、朝の6時に上映終了。


"Nothing can be everything."


というヴェンダース監督の言葉が心に残りました。