プラドの呪い


新文芸坐を後にし、本日は睡魔に襲われながら東京都美術館の「プラド美術館展」を鑑賞。入館してすぐ、中学だか高校の教科書に乗っていたエル・グレコのイエスを描いた宗教画があって、「おお!」と思ったり。あとは「ラ・フォルトゥナ(運命)」とか、素晴らしい「花卉」の絵に見入ったりしておりました。

出口付近で、フタにムリーリョの「貝殻の子どもたち」の絵のついた小さな缶に入ったスペインのお菓子(5個入り)を売っておりまして、口にふくんでからそのお菓子の名を3回唱えると幸せになります、と、いかにも婦女子が飛びつきそうなうたい文句が。バッカじゃねーの、こんなん見え見え。


買いました。バカだから。


帰りの高速バスの時間まで2時間ほどあったので、折角だからお買い物でもと大丸に入ったりしましたが、趣味とお値段がどうにも折り合いがつかず、下流層はおとなしく地下に潜ることに。ぐるぐるとウィンドー・ショッピングをしておりましたら、夏用の麻の白いワンピースが70%オフになっておりまして、「おお!7号もあるではないか!」と試着してみたり。


その上の9号を買いました。


肉体的にも、もうダメダメ。というか7号と9号の目立った違いはヒップだけのような気もします。来た時のシルエットは7号の方がキレイでした。

お昼は、何年か前の黄金週間に鎌倉に出かけた時に案内してくださった方と食事した蕎麦屋さんで、その時と全く同じ「梅じぞ冷やしうどん」を注文してしまうあたりが成長がないですね。


帰りの高速バスは乗れない人が出るほどの満員御礼。補助席まで出ていました。そして黄金週間のための渋滞。爆睡していたバスを降り、駐車場に止めておいた車に乗り込むと、途中に大型ホームセンターがあることを思い出し、職場のデスクに癒しとして小さな鉢を何か起きたいなあと(ポトス3鉢は隣の隣のデスクに移動してしまった)園芸コーナーへ。

すると60代のオジサンがなんか危なっかしくガラス製品をいじってるなあと思ったら、案の定ガラガラガッチャンという破裂音。オジサンは飛び散ったガラスを大雑把に拾っていましたが、店員が出てこないのをいいことに、ソレらを奥の方に隠して出て行ってしまいました。細かい破片はまだソコココに飛び散ったままだというのに。子どもが転んでケガしたらどうすんだ、それが自分の孫だったらどう思うんだ。すでに遠くに行ってしまったジイサンの背中に「オヤジ!」と、低くつぶやくのでした。

店員の方に「さっき年配の男性がガラスを割ってしまって破片が飛び散っているのですが」と、声を掛けると慌てて箒とチリトリを持ってきたので、「自己申告するのかと思ったら、出て行っちゃったんです」と言いながら場所を示すと、隠していたガラスの破片が出てくるわ出てくるわ。

すっかり気分が悪くなってしまい、どうせ後の連休はどこにも出かけないのだし飲んだくれてイヤなことは忘れてしまおう、とアイリッシュ・ビールなどを買い込んだり。


なんだかんだでやっと家に到着。「そうだ!幸せになれるスペインのお菓子!」と取り出してみると缶にはお菓子の名前が入っていません「プラド」の文字だけ。うああー、肝心のお菓子の名前がうろ覚えだよ〜!


ちっくしょ〜!!(小梅太夫風)


が、落ち着いて箱の中を見てみると、お菓子を作っているお店のカードの他にもう一つ小さなカードがありまして


ポルボロ
ポルボ=粉 ロン=ほろりと崩れるという意味
<中略>
口の中に入れて崩れないうちに「ポルボロン」と3回唱えることが出来ると、幸せが訪れるという言い伝えがあります。


「そうそ、ポルボロンだよ」と、缶の中からお菓子を一つ取り出したその瞬間、ふにゃ、っと。ふにゃ、っと。

包みを開けると、既に粉々に崩れておるがなっ!!


ちっくしょ〜!!(本気全開)飲んだくれてやる!!