8分前の光と…


七夕はいつも雨、のはずが昨夜は曇りでした。
夜中にあられもないカッコでベランダに出てみても何も見えず。先日買ったきたブラックベリーの黒くてまだ堅い実が重そうに揺れているだけでした。

ならば人工的にでも天の川を見てやろうと、本日プラネタリウムへ。まあ、星のお話と言えばかならずギリシャ神話が登場するわけで、昔その手の本を読んだことがあるので珍しいお話はなかったのですが、途中に展開される手作り感いっぱいのスライドでは大いにウケまくり一人笑いをかみ殺していました。

なにせゼウスとエウロパの間に子供がうまれました、というところで全く関係ない普通の東洋人の赤ちゃんのスナップ写真が大写しにされたりして、「どこんちの子だよ!」と突っ込まずにはいられませんでした。

織姫=「織る女」、牽牛=「牽かれる牛」という「新説七夕伝説」では、牛肉が大好きだった織姫と牛のお話とし、

織姫「なぜ私たちは別れなければならないの!」
牽牛「モォ〜!」

と、若干芝居っ気のある若い男性の声で情感たっぷりに語られます。もう、ギャグでしかない。


ロマンチックな七夕伝説を期待してきたカップルもいるであろうに、織姫と牽牛、アリアドネテセウスミノタウロスを退治した英雄)の二組の共通項目が天空に一つずつ映し出されたのですが、最後に登場したのは…


星空に大きく輝く「別離」の文字。

どっひゃー!デス。そして「私たちは星に願いを込めてきました」、「あなたは星に何を願いますか」とか続けられても、ね。全体的に構成が甘すぎて何を狙っているのかよくわかりませんでした。そのへんのゆるい作りが笑えたけど。


が、冒頭の「太陽の光が地球に届くまでには8分かかり、私たちは8分前の太陽の光を常に浴びている」というお話にはなんだか妙に感じ入ってしまって、「過去の光」に包まれて生きてるのかあ、などと思ったりしました。まあ、カップルで行かなければ愉快ではあります。


もちろん、私は一人で行きましたが。