『ゲルマニウムの夜』


2005年
監督:大森立嗣
出演:新井浩文広田レオナ早良めぐみ大森南朋石橋蓮司佐藤慶麿赤兒


神父の厳かに聖書を読む声が聞こえてくる。が、すぐにそれは欺瞞に満ちたものだとわかる。隣に座っている少年の左手は神父の股間でゆっくりと前後に動き続けていた。


冒頭からいきなりこんなシーンですが、これは文字通り序の口です。登場する人物は皆どこかイカレテます。でもそのイカレっぷりを完全に卑しい目で見れる人間がいるでしょうか。もしいたとしたら私はそのようなヒトを信用することはできません。その中で描かれているのはまさに私たちが隠しておきたい部分だからです。私は彼らの一人一人に自分を投影し、恥じたり慰めたり混乱したり、懺悔したりしました。


と、まじめに書いておりますが、笑えるシーンもあります。まだ上映中ですので詳しくは書きませんが「オレのゲロに手を出すな!」には思わず吹き出してしまいました。私の隣に座っていた3人組の男性(どうやら映画関係者のよう)も笑っていたので、まあ心置きなく。


早良めぐみというカワイイ女の子が、大胆に裸体を披露しています。上からのショットはかなりエロイです。いえ、こんな書き方は彼女に失礼かもしれません。ただ普段は、ベッドシーンなどなくたって別にこの映画は成立するよな、観客へのサービスショットだよな、と、思うことが多々あるのですが、この映画に関しては必要だった、と。そして私はあらためて思うのです、女優とは恐ろしい職業だと。


上野東京国立博物館敷地内一角座で8月15日まで上映されるようです。花村萬月の原作は知りませんでした。ちょっとキツイ映像もありますが、こういう映画、キライではないです。むしろ好きな方。石井隆の奈美シリーズとかも好きだし。
ということで、とりあえず宣伝。