演劇と映画


21日に下北沢演劇祭の1つを観に行ってきました。いつもなら出演者である友人にソワレのチケットをお願いして夕方出掛け終演後は一泊させて頂くのですが、今回は故あって日帰りなのでマチネに変更、開演に間に合う格安の高速バスがとれず久しぶりに朝から特急電車に揺られたりしました。
昼の明るさが都会の人の多さやそこに渦巻くエネルギーを更に強調するようで、すっかり弱った野性児である私は酸欠気味に。気を張っていないとこちらのエネルギーが奪い取られるようでたまったものではありません。せめて夜なら闇に紛れて身を隠すこともできるのに。
開演の10分前に到着、初めて観る劇団であるにもかかわらずチラシには目もくれずそのポピュラーな演目をどう料理するのかと思っていると、それは案外懐かしい匂いするするものでした。まあ、感想のような短いメールを友人には送っておきましたのでココでは敢えて書きませんが。
この友人とはもう15年の付き合いが続いているわけですが、人との付き合いが刹那的というか距離を置く傾向のある私にとっては奇跡に近いものがあります。おそらくこの友人がいなければ芝居を観る気になどとてもなれなかったでしょう。
地方には来そうにない映画を見てから帰ろうと思っていたものの、まだまだ陽は高く田舎者の私に容赦なかったのでとっとと帰ることに。が、行きとは違って、順応性の高い私はこれ以上エネルギーが吸い取られることのないようしっかりとシールド(気)を張って人混みの中に。5時に駅構内で早めの夕食をとり、8時には帰宅できました。


アカデミー外国語作品賞は(私の予想通り)『おくりびと』でしたネ。他のノミネート作品を知りはしませんが、その賞をもらってももらわなくても世界に通用する立派な作品だと。邦画などあまり興味無いのですが、この作品は映画館で流れた予告篇を観た時にもっクン演じる納棺師の所作の美しさ(コレみんな書いてることだから、観た直後の感想でも書きたくなかったのに)、押さえた表情(素晴らしい!)の中に並々ならぬもっクンの、いえ俳優本木雅弘の内なる闘志が感じられたのでした。聞けば滝田監督に企画を持ちかけた本人だそうで。笑ってホロリとさせられてすべての要素を含んだ、これぞエンターテイメント、だと思います。