もっと甘い夢になったはず


プラネタリウムに行って、暗闇に浮かぶ無数の星々に吸い込まれそうな感覚に陥っていった時、その宇宙のはるか彼方にくっきりと浮かんだ人がいた。その時、本能的に言ってほしい言葉を何度も繰り返し願っていた自分のダメっぷりに気づきながらも、どうしても止めることができなかった。

その人が夢の中に現れたというのに、なぜか険しい山道を大勢の外国人と一緒に走っていた。彼は私の隣で笑顔を見せながら伴走している。

「ああ、ステキな笑顔だなあ」とデレデレしていると、あっという間に休憩ポイントに着いてしまった。

そこで待っていたのは、彼の恋人、伊東美咲だった。(あくまでも夢だから)私は、ふん、大根のクセに!という醜い嫉妬を覚えながらも、伊東美咲じゃどう足掻いてもかなわないよな、という諦めの念に打ちひしがれた。第一、彼が私を子供扱いして全く相手にしてくれない。実際はオバさんなのに。……。だからかっ?!

その切なさと悔しさをバネに、私はブッチギリでモンブランの周囲、イタリア、スイス、フランスを駆け抜け、シャモニーを目指して116キロの過酷なトライアルレースを完走するのだった。

こんな夢を見たのは、NHKの「ワンダー×ワンダー」と「サンデープロジェクト」を見ようとセットして流れていた「全日本大学駅伝」のせい。

ったく、どいつもこいつもヒトの夢までブチ壊しにしやがって。ぐすん。