事業仕分という野分を見て思い出した極めてプライベートなこと
T:はい、コレ。フルさんが担当する契約書。
私:スパコン?なんのことですか?
私:ふ〜ん、スーパーが付いちゃうなんて、どえらいコンピューターなんですね。スパンコールのことかと思っちゃいましたヨ。はっはっはっ!
T:そんなわきゃないでしょ、はっはっはっ。
Tさんは某企業よりの出向者で超エリート。最初私はこの方にもの凄く嫌われていたようで、それは端で見ている人からもTさんが悪人に思われてしまうほどでした。
が、それでもめげずに質問を繰り返し続けていたある日のこと。
私が質問したくて隣の席のTさんを真横からじっと見つめておりますと、その生暖かい視線に気づいたTさんは、思わずプッと吹き出しながら、「またこっち見てるよぉ〜、今度は何?」という具合に変化していったのでした。
そしてある日、
T:フルさん、ちょっと細かいんだけど、コレ、エクセルで作れる?
私:(書類を見ながら)ん、やってみま〜す
しばらくして
私:こんなんでいかがでしょう?
渡された書類をしばらく無言で見入るTさん。そして事件は起こった!
体を私の方に向き直し、
T:いつも丁寧な仕事をありがとうございます
そう言って深々と頭を下げたのだった。
当たり前、と思っている人が多い中で、たかが3年契約の雑務用員である私に、こんなに真摯な言葉をかけることができるTさんの存在は私を大いに感動させた。
すっかりツーカーの仲になっていましたが、2年後、Tさんは出向元へ。
しかたがないので、残りの1年は新卒のM君を「おめー、そのデスクトップのオネーチャンの画像はセクハラになんゼ」とか、いぢって過ごしました。
ホントは周りの女子たちが、職場のパソコンなのに!ってざわつきだしたからなんだけどね。
まあ、M君にとって私の存在は欝陶しいことこの上なかったと思います。だって当時小学生だった私の甥っ子にそっくりだったんですもの。