タルコフスキー・ナイト

fleurette2009-12-12



僕の村は戦場だった
1962年 ソビエト連邦

未見だったので、これだけのためのに上京したと言っても過言ではない。
戦時中の苛酷な状況の中にあるにもかかわらず、オシャレ感漂うロマンスが描かれていたりして、なんだか復讐に駆り立てられ切羽詰まった少年と大人の、目の前に置かれた戦場への向き合い方に対する温度差というのか、まあ経験値の違いというものもあるのだろうけどあまりに対照的で、戦争における一番の被害者は子供であることを改めて思った。

オープニングの少年の美しい微笑みとラストの処刑リストに載っていた憎しみに満ちた犯罪者のような形相が哀しい。

ダスビダーニャ、ワーニャ。

あ、それと溝を跨いでの宙ぶらりんのキスは上級者の証、様にならない子供(二十代)は真似しちゃダメよ。


惑星ソラリス
1972年 ソビエト連邦

体調からしてたぶん寝ると思っておりました。はい、一部はぐっすり眠りました。ヨダレ垂らしながら。隣のブウブウ君(鼻から息を吸う度、スゴイ音を発していたので、赤の他人に勝手につけたあだ名)には気づかれていない。なぜなら、インフルエンザ感染予防としてマスクをつけていたから。

クリスがもっとカッコイイおじさんだったら、頑張って起きていたと思う。タルコフスキーが悪い。女優は美女ばっかりなのに。


ノスタルジア
1983年 イタリア

まさか『ノスタルジア』まで寝ちまうとは…。
初めて観た時、その緻密に計算された空間の映像美に、まるで美術館にいるような錯覚に陥りただただ見惚れたものだった。
タルコフスキーは「映像作家」という言葉がピタリとはまる名監督であり、私はこの作品で初めて監督という役割の偉業を意識したわけでありますが、寝てしまうなんて信じられない。よる年波には勝てない、そういうお年頃?
いやいや、一人で見に来ていた老婦人がいたではないか。ニコニコしながらゆっくりとした足取りで階段を下り、朝の6時30分、映画館を後にして白みはじめた街の中に消えて行った。素敵。

ラストの、寺院の中に本当にセットを作ってしまったという(カーミットさんが教えてくれた)幻想的なシーンが観られただけで本望か。