後ろ向きな女ですが、よろしければ


 やっと天職と巡り会えた、私はこの仕事と結婚する。そう誓った三年後に、たかがプロポーズされたぐらいでグラついていろよい返事もできないまま自ら進んで異動して中距離恋愛に。「止めたってきかないでしょ。フルが戻って来るまで待ってるよ」なんて、理解あるようなそんな言葉を真に受けて、この人なら信じられるかもしれないと…。
 バカだった。ホント信じられないくらいの大バカだ。彼のお父さんの遺影の前で二人で手を合わせたのはいったい何だったんだ?一大決心していざ戻ってみたら二股かけられていたなんて、心変わりしていたなんて…。
 そんなトラウマをずっと引きずっている自分が情けなくて惨めでどうしようもなく悔しくてしかたがない。全部が狂ってしまった。取り返しがつかない恐ろしいことも起こってしまった。みんな私が悪いんだ。わかってる、そのくらい。
 今日は本当に最悪な嫌な一日になってしまった。虚勢をはるのもほとほと疲れた。セックス付きの家政婦になんか誰がなるもんか、と思って生きてきたけど、家族やその他諸々のことを円満に片付けるためには自分を殺さなければならないことも考えなくてはいけないところまで来てしまったようだ。
 ということで、ワタクシ、フルーレットは本気で婚活することに決めました。三高なんてのには興味ありません。笑いのツボが一緒で、私が時々吐く毒に堪えられる方が理想です。ええ、この際ですからネットからも幅広く募集しますよ。出会い系サイトとは未だ無縁でどんな所なのかもわかりませんが、「全てのサイトは出会い系である」と、オフなどしていると確かに言えるのかもしれないとも。
 あ、でも湯浅卓みたいなのは絶対ヤダ。と言ってる時点でワタクシの本気度が疑われてしまいそうですが、かと言ってクリント・イーストウッドと言ってもねえ。やっぱ博多大吉さん、独身の大吉さんがいい。
 と、このように後ろ向きな女ですがよろしければ是非、とでも書いておきます。