インビクタス/負けざる者たち

fleurette2010-02-10



2009年 アメリ
監督:クリント・イーストウッド
出演:モーガン・フリーマン、マット・デイモン


 『ミリオンダラー・ベイビー』同様に当然ながらスポ根ドラマではありません。て、イーストウッドですから端からそんなこと思って観る人はいないでしょう。
 相変わらず硬質な作り。観ているうちになんとなく思ったことは「アイルランド映画だなあ」とか、たぶんジャージの緑と金色のせい。や、『ミリオンダラー・ベイビー』でマギーが着ていた「モ・クシュラ」と刺繍されたガウンに観客が熱狂するシーンの残像を見たからか。
 不思議だったのは、中盤に差し掛かった辺りから、スクリーンからまるでクリント・イーストウッドの優しい眼差しに包まれているような、もっと正確に説明するなら(できるわけないが)、クリントの腕がふわぁっと暖かい空気になって抱きしめられているような感覚に陥ったこと。


 「もっと人を信じていいんだよ」


 そんなメッセージ。ネルソン・マンデラの偉大さは、その桁外れの寛大さにある。戦略も持っている。


 「変わる時に変われなければ、人を変えることなどできない」


 ああ、細かい話をするのはよそう。この言葉だけで充分なはずだ。


 あと「サッカーは乱暴者がする紳士のスポーツ、ラグビーは紳士がする乱暴なスポーツ」という台詞には多いに頷いた。だってオール・ブラックスは皆キウイ・ハズバンドだもん!(キウイはニュージーランドの国鳥。飛べない。オスが巣作りや子育てをする。キウイフルーツは果実がこの鳥に似てるから付けられた名前)
 そう言えばワタクシ、初めてお付き合いしたヒトはオール・ブラックスだったのだ、ジャージが。ジャージだけじゃね。
 が、なんにしても今回の不思議体験でさらにワタクシのクリントらぶ魂に火がついた、ではなくガソリンがブチ込まれました。危険です。おじいちゃんになっても大好き。未就学児童の頃からの不滅の愛。根っからのシブいオジサマ好き。ええ、なんとでも。