アンセル・アダムスに175億円

fleurette2010-07-29



 日本では数千万円の価値のある喜多川歌麿の肉筆画が発見されたが、アメリカでは175億円の写真が発見された。その写真を見た瞬間、「うわっ、ヨセミテ!アンセル・アダムスじゃん!」と。
 10年前、イベント情報誌を眺めていて目に留まったのが「アンセル・アダムス展」だった。小さく、まるで影絵のように載っていた一枚の写真を見て、これは行っとこうと思ったのだ。それまでは名前すら知らなかった。恐らく初めて見に行った写真展じゃなかったかと。
 あ、その前にメイプルソープ展を見てたか。けど、それは仕事の合間に見たという感じでロハだったからな。只で見てしまってゴメンナサイってくらい、彼の作品はどれも素晴らしく、もし機会があるなら是非、とお勧めするのだがたぶんこんなところで宣伝しなくても連日満員御礼になるくらい日本でも人気のあるアーティストだ。すでにエイズで亡くなっているが。
 で、当時見たアダムスの写真展はどこで開催されたかは忘れてしまったが、美術館のような大きな所じゃたくてビルの一室という小さな会場だった。当然廻りは、写真勉強してますっ!全開なオサレな若者と通な感じのオジサマばかりで、ワタクシは浮きまり。
 アダムスのヨセミテ公園の作品はそんなに大きくなくて(写真だから当然なのか?)A4くらいだったか。が、そのフレームからは、何一つ逃さずに全て切り取ってやろうという迫力が溢れ、その陰影の深さはワイエスの絵のような精巧な緻密さをたたえていた。
 今回発見されたその写真はアメリカの美術教師が10年前にガレージセールで購入した箱の中に入っていた封筒におさめられガラス板のネガ?をあらゆる分野の専門家が鑑定したということだが、アダムスの孫娘は、封筒にあったメモをアダムスの妻の筆跡とした鑑定に対し、封筒に書いてあったらしいヨセミテのスペルが間違っていたことから、おばあちゃんは学のある人だった、スペルを間違えるはずがない(=筆跡鑑定は間違っている)、と言ってるそうです。が、この美術教師はもうポストカードにして販売することを考えているそうです。商魂逞しいですね。 
 ポストカードと言えば、その時に会場で日本人写真家のポストカードのセット(5枚入り)を買ったのでした。オレンジ色の封筒に直筆のサインがあったのだけど、Hideo Suzukiさんて有名?よくわかんない、ゴメンナサイ。