カーテン越しの雨に
ケータイの地震警報で起こされた朝。
外は冷たそうな強い雨。
小さな街の駅前通りに、工事前の、更地になって赤土が剥き出しになった一角があった。
午後、雨が止んでお天気に。
子供の目には湖みたいに見える水溜まりがあちこちにできあがっていた。
浅いことを知っている下校途中の低学年の悪戯っ子たちが立ち止まらない理由はどこにもない。
最初は長靴で端っこをピチャピチャ。そのうちそのシッパネが誰かにかかる。
やったな〜!えいっ!
キャーっ!
きゃはははは!
大きな水溜まりを勢いよく踏んで歩き回る子供たち。長靴の中だけでなく、頭から泥水かぶったみたい。
ばいば〜い!
十分に楽しんだ後は、あ〜あ、おかあさんに怒られちゃうな、と、さっきまでの小さな戦士たちは若干憂鬱になって帰って行く。
『雨に唄えば』のジーン・ケリーの元祖がいっぱいだったあの頃。
雨に濡れるのが嫌いじゃない大人は何人になったかな?
でも、今日みたいな朝に、外にほうり出されるのはイヤだなあ。