目玉オバサン
一日中パソコンに向かっているのと室内の乾燥のせいか、ドライアイがひどくなってしまったと思っていたら、昨日の仕事中、とうとう痛くて目を開けていられないほどになってしまった。市販の目薬も効果なし。潤いがなく、瞼が眼球に張り付く感じから睫毛が突き刺さっているような我慢できない痛みに変わってきた。なぜか左目だけ。
3年前の健康診断で急激に視力が落ちたのはどっちだっけ?単なるドライアイじゃなさそうだった。外出先から帰ってきたボスがびっくりして、医者に診てもらってきたほうがいいといってくれたので近くの眼科へ行ってきた。
問診表に記入した項目を確認するように年配の看護士が問いかける。
「目の中にごっそり睫毛が入っているような感じで、痛くて開けていられないんです」
そう答えて待合室の椅子に座って待っている間も痛くてずっと俯いていた。隣に座っていたおじさんがいつの間にか診察を終え、また私の左隣に腰をおろした。
「今、空気が乾燥してるから目が痛いって来る人が多いそうですよ」
「ああ、ドライアイですね」
ハンカチで左目を覆って俯いていたので、まさか自分に話し掛けているとは思わず(痛くてそれどころじゃなかったし)、素っ気なく答えてしまった。さっきの看護士さんとのやり取りを聞いて自分と同じだと思ったのだろう。でも、乾燥してるからとかそんな痛みじゃないと自分でもだんだんわかってきた。
名前を呼ばれて診察室に入り、看護士さんとのやり取りをまた繰り返す。今度は睫毛が突き刺さっているような痛みだと付け加えた。両眼を診てから、左目の瞼をひっくり返したり入念に診察。
「細かいキズが幾つかありますね。強く目を擦ったりしますか?」
「ああ、季節の変わりめになると瞼が痒くなるのでその時に強く擦ったりしてるかもしれません。今もちょっとかぶれてるんですけど…」
「ちょっと睫毛一本抜きますね」
センセイ、指が震えてるんですけど。こわいがな。カルテの眼球のイラストのレンズ部分には小さい線が五つぐらい書き足されていた。医師はキズの経過が診たいのでまたくるように、と。
3種類の点眼液を頂いて終了。5分間隔でつけなければいけない点眼液はメンドクサイし、そのたびに喉の奥に広がる不快感は避けられないけど、痛みの原因がわかって少しホッとした。
これが昨日のこと。本日は帰宅してからまたフルーツケーキ作り。改心の出来。つまり素晴らしく美味しい。