その瞳が見つめる先に

Mao Asada



 陽が傾き始め、少し吹雪いてきた。グレーに染まる風景の中に弱い明かりが点々と放ちだし、細い矢のような雪が眼下の小さな街に消えていく。スターティングバーに腰掛けた10才の少年の横顔は少し大人びて見えた。


 飛ぶんだ


 飛んで、降りたら、また登って。それを繰り返して大人になり、人生そのものになった。




 いや〜、ソチ五輪の間スナグパックの寝袋がこんなに役立つとは思いもしませんでした。まるでこの時のために買ったみたいに、深夜の放送時間になるとテレビの前に置かれたマッサージ機能付きの座椅子の背もたれを45度にセットし足元は座椅子と同じ高さに調節した長座布団を敷いてその上でオレンジ色のミノムシ状態になってテレビ観戦しておりました。結果は二勝二敗。真央ちゃんのショートとユズちゃんのフリーを睡魔に襲われ見逃してしまうという…。でも世界中が固唾を飲んで見守っていたであろう真央ちゃんのフリーが見れたからいいのだ。メダルは取れなかったけどおそらくこの五輪で一番ドラマティックな舞台であり、後世に語り継がれる演技になった思う。


 そしてソチ五輪閉幕と同時に、愛しいPちゃんが修学旅行という名の語学研修でオーストラリアに旅立ってしまった。2週間も。で、先週コンビニに行った時、真央ちゃんが表紙のNumberという雑誌が目に止まり、Pちゃんは真央ちゃん大好きっ子なので帰ってきたら見せてあげようと買ったのですが、これが読み応えがあってなかなかよかったのです。


 冒頭の文はレジェンド葛西さんのページを読んでいた時にまるで映画のワンシーンのような映像が頭にスーッと飛び込んできてそれをなんとか言葉で表現したものなのですが、表現力と語彙力がなさ過ぎてダメダメですね。


 そうそう、その雑誌の中で必読本として『シークレット・レース』が紹介されていたのですけど、これはホントにお勧めです。