『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』


監督・脚本:ジョージ・ルーカス
出演:ユアン・マクレガーナタリー・ポートマンヘイデン・クリステンセン


キーワードは「patient」でしょうか。字幕では「辛抱」とありましたが、冒頭の戦闘シーンでまず最初にアナキンがケノービに言います。そして次に評議会の決定に不満を言うアナキンにケノービが「辛抱しろ」と。つまりこれは血気盛んな若者が辛抱が足りなかったために破滅の道に堕していくというお話ですね。


それにしても、厳しい戒律を守るジェダイの騎士であるはずのケノービ役のユアン・マクレガーの威厳の無さにびっくりしたり。軽い、とにかく軽いノリで、大昔のハリソン・フォード演じるハン・ソロとかぶってるような。ジェダイ対シスの戦いと言うよりも、まるで呑気なトウサン(ケノービ)と短絡的思考のヤンキー(アナキン)の戦いのように思われてなんだかなー、といういささか冷めた目で鑑賞を終了しました。 


ひとつ頭に引っ掛かったセリフはと言えば、「喪失への恐怖はダークサイド(暗黒面)へとつながる」でしょうか。つまり「執着」、「嫉妬」という感情のマイナス面を増幅させるという…。母親を救うことができなかったアナキンがその怒りにまかせサンド・ピープルを皆殺しにしてしまったように、パドメを失う恐怖に脅えるアナキンの心をパルパティーンジェダイを全滅させるために操るのは難しいことではなかったという。喪失の恐怖に囚われた心が自らその恐怖を生む、という教訓ですね。


スター・ウォーズ』が初めて上映された時、ナタリー・ポートマンは生まれていたのでしょうか?(ちょっとググればすぐわかるのですが)何年もの時を経て、そのルーツのお話となるエピソード3で麗しのパドメ役(棺の中の彼女はまるでジョン=エヴァレット=ミレイの「オフィーリア」のようでした)へと成長した彼女ですが、眉を八の字にしての泣き顔は『レオン』でデビューした少女の時のままでした。


もうおわかりかと思いますが、SFモノは苦手なのです。