生きる才能


あの時別の選択をしていたら、今抱えてる痛みとは無縁だったかもしれない。そう思えば、この痛みだって愛しく思える。


全て自分で選んだことだ。後で誰かのせいにしたくない、そう思って自分を押し通してきた。たとえ間違いだったとしても、それは私にとって必要な間違いだった。反省しても後悔はしない、なんてカッコイイものじゃなくて、惨めで哀しくて辛くて後悔することだっていっぱいだ。だけど、誰に強制されたわけでもなく自分で選んだ結果だということが、かろうじて折り合いをつけてくれる。納得できないことだって、きっとその時の自分に見合ったものだったんだ。


こんな我の強い人間に付き合っていけるのは、きっと神様のように寛容な人だけだ。「生きる才能」ってのは、自己愛じゃなくて、他人を「愛する力」に比例するんだろうな。