「テオ・アンゲロプロス・ナイト」
『永遠と一日』
1998年 ギリシア・フランス・イタリア
出演:ブルーノ・ガンツ
カンヌ映画祭パルムドール賞
「ああ、セリム」。少年の泣いてるんだか笑っているんだか区別のつかない表情や、その少年と小説家の心が一つの溶けあうシーンで、我慢できずに何度も鼻をすすってしまった。映画館で泣いたのは、何年ぶりだろう。二人が乗り込んだあのバスは、『ととろ』の猫バスか?
『霧の中の風景』
1988年ギリシア・フランス・イタリア/フランス映画社
ヴェネチア映画祭銀獅子賞
父親を求めて旅を続ける姉と弟に訪れる苛酷な運命。
「恐くない?」
「恐くないよ」
ばか。もっと恐がって。恐がってくれればよかったのに…。幼い弟が、私の妹のチビだった時にそっくりで、よく、二人で机の下に潜り込み、バスタオルを妹の体に巻いて「寒くない?」「うん」なんて、貧乏人ごっごして遊んだことを思い出したり。あ、いや、映画とは全然関係ないけど。
『シテール島への船出』
主人公のアレクサンドロスが安っぽい浴衣を着て登場しゲンナリ。それ以降、平幹ニ郎にしか見えなくて。もう寝てしまえ、と、前半ものの見事に寝た。後半の老夫婦のシーンは幻想的過ぎて。「私だ」というギリシア語が「エゴイスト」にしか聞こえない。
テオ・アンゲロプロスの作品は初めて観たのですが、3作品とも共通するシンボルがありましたね。主人公の名前、ストップモーションがかかったように風景と化す人物たち。黄色いレインコートを着た3人。冬は黒一色の服装、夏は白。結婚式。水溜り。寒々としたシーンでずぶ濡れになる。もちろん海も。ああ、なんか眠くてまとまらない。眠くなくてもまとまらないのかもしれないけど、今日のところはこの辺で。