夢のあと


東京のアパート。目覚めると、ベッドの横には十数年前に別れた恋人の愛しくてしかたがないという言葉よりもはるかに雄弁な優しい瞳があった。


−あれ?元に戻ってる− 


そこへかつては天職と思っていた仕事の直の上司がドカドカとやって来て、「メール見てくれた?○○君が熱出してダウンしたの。様子見てきて。私もうクタクタ。ここでちょっと寝させて」そう言うと、恋人の存在は無視して彼の横にそのまま倒れこんだ。


−なんだ、仕事もやめてなかったんだ−


彼は状況が理解できなくて戸惑っている。私は笑いながら「大丈夫、そのままほっといて」とだけ言って出かける準備をした。そして部屋を出ようとドアを閉める瞬間、その隙間から見えたベッドの上の二人を見て、もし間違いが起こったとしてもこの二人ならまあいいか、というこれまでの自分からは想像もできない寛大さがなんだか愉快で、またクスッと笑ってドアを閉めた。


ドアを閉めて、そして現実に戻った。今、この手にないものばかり。それでもなんだか嬉しくてひたすら感謝した。


なのに!


本日、うっかりオヤジの逆切れにあい、とんだアフターに。それでも猫なで声で「ごめんなさい」と言えば、急に申し訳なさそうに縮こまって「いやあ、こっちこそ無理言って悪かったね」って。もう、早くもどってよ、奥様が怪しんで出てきちゃうじゃない。はい、請求書。あとここに判子押して送り返してね。


て、あまりに現実がバカバカしくなってきたので、久々にネット世界に入り浸り更新しようとするも長文書き上げたところでフリーズ。もう、プリーズ!