煙草をふかしながら
ベランダに折りたたみ式のテーブルと椅子をだしてウォークマンに入ってる曲を片っ端から聴いた。RCの『ぼくとあの娘』を聴いた辺りから、婚活ほど私に似合わないものはないな、と思った。
『嫌われ松子の一生』を見たとき、松子の死に様に自分を重ね合わせた私だもの。
寂しいとか、老後が不安だとか、そんなことはどうでもいい。野垂れ死んだっていいの。
一緒にいたいのは、傍にいて欲しいのは一人だけ。それが叶わない相手なら、ずっと独りでいたほうがどれだけ気楽かわからない。
愛してもいない男と寝たって、信頼してないんだから夢中になれるわけもなく。いや、決して淡泊なのではない。警戒心が強くて、まあソレは臆病とも言えるのかもしれないが、つまり遊べないツマラナイ女なのだ。
奪ってやろうとか、日影の女でいいとかも思わない。もう波風立てたくない。そう、どんな状況でも「運命の人」ならきっとむすばれるハズ、という少女趣味から抜け出せない無教養な女でもあるわけです。
何処かで、私の名を呼んでいる人がいる。その時から、名前は単なる記号ではなくなって、赤い糸を手繰り寄せる甘く切ない呪文に変わるんだ。
貴方が100回死ぬ前に見つけられたら、すぐに魔法をといて人間にもどしてさしあげましょうね。
て、後半は北欧神話『太陽の東・月の西』に出てくる「白い姫君」の気分。