久々に怖い思いをした


週末はPちゃんたちと楽しく遊んで過ごし、別れを惜しむがあまり途中にある大型ショッピングモールまで便乗し一緒にお買い物をして夕食、そこからすぐ近くの駅まで送ってもらい私は電車で帰宅することに。

が、直通の電車がなく乗り継ぎのため途中の駅で40分も待つことになってしまった。最寄駅に着いたのは23時30分。バスなどとうになく、普段はタクシーを利用するのに、なんだか歩きたい気分に。しかし、歩き出してものの数分で後悔した。夜空を見上げたら、曇っていて星が一つも見えなかったから。おまけに轟音を響かせて停車しているバイクがいてちょっと物騒な気がした。

なるべく住宅地の中を選んで歩き、大丈夫、おじいちゃんが守ってくれる、そう自分に言い聞かせ落ち着きを取り戻そうといろんなことを考えた。

「相変わらず独り身」と言っていた人が「変わりはあります」と言ったら、これは家族ができた、あるいは家族が増えた、と解釈するのが妥当なセンだよな、などと金木犀の甘い香にちょっとセンチな気分に浸っていると、中間地点にある泉の森に差し掛かった所で、大きな白い蛾がじゃれるようについてきた。

我が家では、夜に大きな蛾が家の中に現れると亡くなった祖父がやって来たということになっていた。おじいちゃん?にしては随分白い、家の中じゃないし…。ケンブ?と、思った時には既に何処かに消えてしまっていた。

そして夜中の零時を回った頃、街灯がある片道一車線の通りを歩いていると、背後からゆっくりと車が近づいてくるのがわかった。

「送りましょうか?」
「…。」(ゲッ)
「ドライブしませんか?」
「けっこうです」

夜中じゃオバさんかどうかなんてわかんないんだろうな。白い車が歩道に沿ってゆっくりとついてきた。その車が上の通りに入った所ですかさず、下のケンブとの散歩コースだった舗装されていない道に降りて行った。

一瞬追いかけてくるんじゃないかと怖くなったが(何せ東京に住んでいた時、深夜仕事帰りにバカ者5人組に追いかけられて必死で逃げたことがある)、もう団地の中だ、襲われることもあるまい、と。

そして無事帰宅。蛾というよりも蝶のようだったな、と、さっきの白い生き物についてあれこれ考え眠りについた。