今頃は…/金木犀


死に至る病ゆえ仕事を休みました。(なんてな)
昨年は某大学附属の研究センターで働いておりまして、全くパソコンが使えないセンター長(教授)の小間使いとして、「コレは一体何語で書かれた文字でありましょうか?アラビア…、ううん、ハングル?」(信じられないことに日本語だった)と問いただしたくなるようなキッタネー手書きの原稿をワードに打ち直し、某雑誌に投稿するため図表を体裁よくレイアウトして論文を作成したり、教授に変わって所謂「ナリスマシメール」をガンガン送るというような仕事を余儀なくされていたわけでありますが(なにせそのお世話の大変さでは学部一、二を争うことで有名な方でした)、今頃は科研費の申請も終わり、一年の研究の集大成である報告書作成の佳境に入ったところでしょうか。

ああ、いろいろ振り回されたっけなあ。エゲレスとかスペインとかロシアとか中国とかウクライナとかベラルーシとか韓国とかの学者が来て「私の秘書です」と紹介される度、「チゲーですから。面接の時、秘書はヤダって言ったべ。しかも肩書は別にちゃんとあるべ?いいように使ってくれちゃってますガー」と笑顔の下で拳をふるわせたものでした。

そのセンセイも今年度で定年のはず。ということは、その佳境も佳境、また年明け早々に外部点検ナンチャラがあるのでしょうか。まあ、皆さん大変だと思いますが、協力して花道を作ってやって下さい。私にはよくわかりませんが、やはりそれなりに何かに貢献してきた方なのでしょうから。ええ、何かに。

同室のSさんは、「私が作ります、って偉そうに言ってるけど、作るの俺たちじゃん」と、会議が終わる度ボヤいていたけど「これで解放される!」と、さぞや喜んでいることでしょう。なんせ私が入る前には、センセイが通っていた英会話スクールで知り合ったお姉ちゃんからのメールの返信まで代わりに打っていたそうですから。

…。

ちがーう!書きたかったことはこんなことじゃない。
会社を定年退職した後に、自宅の四季折々の花の咲き乱れる庭先をちょっとだけ改造して(半分趣味で)お蕎麦屋さんをしている、素敵なご夫婦の話を書きたかったのに。


あれ?そういえばウチの金木犀、今年はなんか遅いなぁ。