和の食材は大人の味がする


 3日に買った蕗がしなり初めてきたので、慌てて青煮を作った。更に籠の中から大分前に買った八つ頭が出てきた。手遅れかと思いながらも包丁を入れてみると案外きれいな白い部分があって、これならまだイケるとけんちん汁風味噌汁を作った。
 お気に入りの木製のお椀は古くなって内側が黒ずんできてしまったので、ブルーの花柄のカフェオレボウルによそってみる。合わないけど、ま、いいか。蕗は程よい苦味が残り大人の味、八つ頭は柔らかく優しい味に仕上がった。
 で、いざご飯を並べてみると何かが足りない。そう、メインのオカズが…。あうあうあ〜。
 鮭のほぐしの瓶詰をキッチンから持ってきて、無言でご飯の上にかけ一口食す。


 マズッ!完全なミスマッチ。


 蕗と八つ頭だけで充分じゃ。でも、豆腐の賞味期限が切れてなければ茗荷を載せて美味しく食べられたのに、もったいないことをしてしまった。
 子供の頃、みんな嫌いだった食材。味覚って本当に年齢とともに変わるのね。好きなタイプも変わるのかしら。