ライオン丸は研究者か


 今朝のことである。通勤途中にある某機構の前の信号が黄色になったので、止まっていた対向の右折車両を優先しようと、横断歩道の前でゆっくりと止まった。機構側からは研究者とおぼしき小柄な白人男性がまさに今変わろうとしている信号を待っていた。そして私の目の前を通り過ぎようとした時、私の視線は獲物を見据える獣のごとき、一点に注がれた。


 もろ、タイプだった。

 その白人男性ではなく、反対側から颯爽と現れ真っ直ぐな姿勢に大股気味の軽快な足取りで、機構の中に消えて行った痩せ型長身の東洋人(日本人であってほしい)が、である。顔だけで判断するなら年齢は五十前後か、東大のカン・サンジュ先生をちょっとニヤケさせた感じ。が、天然パーマなのか、ウェーブのかかった長髪を束ねもせずわっさわっさと、背負った大きな赤いリュックの後ろになびかせていて、学生だった時のゼミの先生をちょっと思い出したりも。


 ああ、お近づきになりたいわぁ。って、どうせ妻帯者。あー、つまんねえなあ。


 ええと、チミたちは、こんなの読んでて面白いのかな?ん?