いつかツール・ド・フランスを生で観戦したい

fleurette2010-06-10



 近藤史恵著『エデン』読了。外出したため一度中断がありましたが、その後はもう一気読み。(この遅読のワタクシが!)
 ツールファンと自称しながらここ数年はツールが始まる時期になるといろいろなことが起こったりしましてネットで情報を得ようなんて気力もなく、日本とフランスとの文字通り地理的な距離程に気持ちも遠く離れてしまっていたのですが、おかげでまたあの興奮が甦ってきました。
 ああ、映画にならないかなあ。そしたら日本にももっとツールファンが増えるだろうに。でも、変な和製ツール映画にはしてほしくない。やるならツール・ド・フランス関係者の全面的な協力を得て世界標準の規模でにしてくれないと、ドキュメンタリー映画の足元にも及ばない愚作になってしまうだろう。やはり日本人白石誓(愛称チカ)を主役とするツール映画はワタクシの脳内だけで楽しむことにしましょう。
 で、読んでて描かれているエピソードにデジャヴュ感を覚えながら、J-Sportチャンネルの2006年ツール総集編DVD(さる方に図々しくもお願いしてダビングして頂いた。その節はありがとうございました)を改めて見ておりますと、やはり大会前から波乱づくめでバッソウルリッヒといった有力選手がドーピング疑惑で消えてゆき、第一ステージではプロローグでステージ勝利を飾ったノルウェーハスホフトに沿道のファンの応援用のボードが当たり彼の右上腕を刃物のように切り裂き流血するシーンがありました。(これなんか本文中のミッコのモデルなんじゃないかと)が、彼はその後もレースに戻りなんとエピローグでも勝利。ただとても残念な結末があって、その大会の覇者としてマイヨジョーヌ(勝者に与えられる黄色のジャージ)に輝いたランディスにドーピングチェックでA、B共に陽性という結果が出てしまったという。優勝戦線から大きく離れ、その後驚異的な追い上げをみせ復活したのですが、やはりその時に…。
 ツールに限らず、魔物は常に自分自身の中に潜み、解き放たれるチャンスをしたたかに窺っている。そんなことを思いながら、『告白』を見終わった後書店に立ち寄り、『エデン』の前作であり本屋大賞2位の文庫本を購入。『サクリファイス』て、今度はタルコフスキーですかと。