DVD3本鑑賞

fleurette2010-08-02


 
それでも恋するバルセロナ

監督:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン、ペネロペ・クルス


 なんだ、この邦題。センスのカケラもないのはウディ・アレン仕様か?相変わらずキモいオタクだ。彼の作品を面白いと思ったことが一度もない。いつも(といっても直近で『マッチポイント』(?)くらいしか見てないが)損した気分になる。自己投影、自己満足、だから何?って感じ。


『グラントリノ

監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド


 しみじみ。淡々と進んでいくストーリー展開は一見地味だが、説得力があって相変わらず手堅い作り。Oh,yeah!
 ラストのしゃがれた哀愁たっぷりの歌が最高。『チップス先生、さようなら』のピーター・オトールの劇中歌の次に好き。


『麦の穂を揺らす風』

監督:ケン・ローチ
出演:キリアン・マーフィー、ポードリック・ディレーニー、リーアム・カニンガム


 アイルランドの歴史、IRAのこと、ちょっと勉強になりました。イギリス兵がアイルランド人を汚く罵っているのを見て、私から見たらイギリス人もアイルランド人も区別つかないのに、と思うと同時に我々日本人も朝鮮人に対して同じようなことを…となんだかやるせなくなる。
 が、それとは別になぜダミアンが医者であるにもかかわらず、まだほんの少年で事の重大さも理解していない(にしては潔く処刑に応じたが、これも無知故なのか)クリスを仲間の制止も聞かずにアッサリ殺してしまうのが理解できない。あと銃を盗みに行って銃撃戦になっているのに、自分も撃ってたくせに、ダンが撃たれからって「よせ、撃つな」って、どうみても既に死んでしまっているダンの傍から逃げないで丸腰でその場にとどまって捕まって銃殺刑なんて、なんか不自然、と思ったり。
 因果応報と申しましょうか、処刑した者は処刑されると。クリスの母とシネードの「二度と顔を見せないで」同胞に向けられた精一杯の抵抗の言葉。
 堪えられないのは、異国の鎖に縛られる屈辱。
 とても評判がよかった作品ですが、上記の不自然さが全てラストに持ってくためのこじつけに思えてもやもやとした違和感が残ってしまいました。私の中ではやっぱり『マイ・ネーム・イズ・ジョー』がベストだな。ジョー役の役者が、これがスタニスラフスキー・システムだって感じですごくよかったのが大きい。