秋の七草と風の似合う花


 おみなえし、ききょう、くず、すすき、なでしこ、はぎ、ふじばかま。

 子どもの頃、この中に遠足でよく見た鮮やかなブルーのりんどうが入っていないことが釈然としなくて、ききょうとりんどうをいつもどっちだっけ?と混同していた。ききょうもりんどうも同じくらい好きだったから。
 が、小学4年生の時に引越先で迎えた初めての秋に、背の高い色とりどりの野生のコスモスが風をうけ柔らかくそよぐ可憐な姿を目の当たりにしてからは、秋の草花の中では一番好きな花になった。今でもコスモスを見かけると振り返らずにはいられない。
 花は総じて好きだけど、「美しい花には刺がある」なんて言われて、その代表格になっているバラがたやすく触れようとする者を傷つけるプライドの高い花だと思われていたら可哀相だな、とか思う。バラって本当は不器用な花なんだよ。サン=テグジュペリはそこのところちゃんとわかってる。
 それに比べて、タンポポなんかアスファルトをブチ割って生えてくるんだ。どんだけ逞しいんだよと。(笑)ダイヤモンド☆ユカイがタンポポのような素朴な女性と結婚したはずなのに、ケンカして手が出た時、逆に後ろ手に羽交い締めにされてしまったと(タンポポ娘が合気道をしてたことを知らなかったらしい)、とても楽しそうに話していました。ユカイ、それはセーカイだと思う。