白いリボン


2009年 ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:ウルリッヒ・トゥクール、ブルクハルト・クラウスナー、セーゼク・ゼアビヒラー


 愛情の微塵も感じ取れない体罰、そこからまだ逃れることのできない抑圧される者のシルシとして結ばれる白いリボン
 支配する者とされる者、陰鬱なモノクロームの中で、冷たく燃え上がる憎悪の炎はいったいどんな色をしているのだろう?
 それは物珍しいものではなく、スクリーンのモノクロの中に所狭しと隠れていて、知らない間に誰にも止めることができない悲しみの果ての激情として、突如穏やかな日常を破壊しに襲い掛かってくる。
 男爵、ドクター、牧師らの冷酷さと言ったら!得にドクターの女性に対する超サドっぷりは鬼畜もいいとこ。お前は二十代の青年か?っつーの。個人的には男爵夫人の気持ちがよくわかったりしましてよ(笑)。
 これからご覧になられる方は、万全の体調で臨まれるのがよいでしょう。こんな作品を前に、普段の睡眠不足からうつらうつらしてしまうなんてウツケ者のすることですから!(涙)