空白を積み上げて

 気づけば、すぐ過去に篭っている。いいことがあっても、悪いことがあっても。それ以上に傷つけることはもうないから。


 やめとけ、やめとけ


 耳元で囁く。そしていつものように踏みとどまって、雪のように真っ白な空白だけが降り積もる。篭る場所もはるか遠くになってしまったけど、それで十分。
 今と過去だけ、それで十分だ。