愛する人
2009年 アメリカ、スペイン
監督:ロドリゴ・ガルシア
出演:ナオミ・ワッツ、アネット・ベニング
―過去よりも、未来に向かって生きていこうと思っています。エリザベス、1973年11月7日生まれ。あなたを想っています。―
母親が14歳の時に出産しすぐ里子に出されたという過去を持ち、愛を拒んで生きてきたエリザベスが、自分の出産を機に、まだ見ぬ母に宛てた手紙。最後の一文が切ない。
それは、劇中、母親がかつて愛した人(手放した娘の父親)と再会し一夜をともにした時に過去形で言った言葉だった。
「あなたをずっと想っていたわ」
過去に囚われ孤独に生きてきた母と子。37年の時を経て、それぞれ新しい命、新しい家族を得、二人の未来に希望を託した思いが共鳴する。
ナオミ・ワッツはここ数年、私が最も好きな女優。期待を裏切らない。本作も素晴らしいです!