地震9日目に


 救助された生存者は若い男性、ショックで口がきけないという。尋常ではない想像を遥かに超えた恐怖を味わったことだろう。だが、彼は生きていた。そのことに、意味があったとか奇跡だとか、そんなことはどうでもいい。その命を繋ぐことが、きっとさしたる被害にも合わずに生き残った私たちのこれからの課題なのかもしれない。

 また地震だ。さっき妹が外していたPちゃんの賞状を鴨居に掛け直している時、私が「まだ余震が続くから後にしたほうがいいんじゃない?」と言ったばかり。震度5地震にすっかり慣れてしまっていることが、何よりも危険。心しなければ。