避けたい相手

fleurette2011-06-18



 Yがロシアから一時帰国するらしい。諸悪の根源、と言うには今更な年月が経ちすぎている。

 顔は母親激似なのに、両サイドにしか髪がない父親激似になった頭を見たら笑ってしまいそうだ。性格は全く違うのに。

 Yの父親は露文学を専攻していて、私の父はそれを先見の明があったと言っていた。日曜の朝はシャンソンを聴いていたというシニカルな学者肌のYの父親に、書き溜めていたデッサンを嫌々見せなければいけなくなった時、まるで幽霊みたいな自画像にその場にいた人たちが引くなか、Yの父親だけが身をのりだし「日本画に向いている、日本画をやればいい」と、言ったっけ。Yの父親の父親は画家だったそうだ。

 ああ、そうね、今思えば日本画の寵児、ジャングル松井○子みたいな絵だったかもね。が、その後、絵を勉強するどころか描いたこともない。もう20年くらい前のことだ。

 Yは私がいつまで経っても名字に君づけで呼ぶのを面白く思ってなかったみたいで、酔っ払った時に「○×君じゃあぬあ〜い!せめて△□(下の名前)君だろっ!」と喚いてたっけ。でも、やっぱり○×君は○×君としか最後まで言えなかった。たぶん、それが答えだったのに気づかなかったんだ。

 前の前の職場にはロシア人とウクライナ人とベラルーシ人がいたから、挨拶程度のロシア語なら話せるのよ。もし、ばったり遭遇したら(できれば避けたいけど)、ロシア語で驚かしてやろうか。

 たぶん、向こうは私以上に避けたい相手と思っているに違いないけどネ。


今日の花 : ガブリエル