やっとのハイキング その3
私のヤケクソ気味の高笑いが山中に響き渡る。団子を食べ過ぎて気持ち悪くて歩けないなんて、笑い飛ばす以外どうすればいいというのだ。
「アハハハハハハハ…」
「あれ?グレーテル、まさか帰り道の目印にするお菓子まで食べてないよね」
「た、食べてないっスよ」(長洲小力風に)
「っていいながら、口元に食べかすがいっぱいついてるんですけど!みたいな〜」
※上記の会話は私の一人芝居。
「なんでグレーテルがそんなラッパー(?)みたいな口調になるんだかわかんない」と言いながらも、私があんまり笑い飛ばすので釣られて笑い出す山ガ。少し落ち着いたのか「ん、もう大丈夫」とまた歩き出した。緩やかな下りが続く。ヒサカキのトンネル、素敵だ。
が、しばらくするとなんと今度は「足が攣った」と言う。本当にイタい山ガ。いや、既にただの運動不足のオバサンだ。
「いつもねえ、バナナ食べてきたって聞かれてたんだよねえ」
「え?」(いつも?!)
「山仲間とね、岩手の山に行った時は肉離れおこしちゃって、マッサージしてもらったんだけどあと少しでパンツ下されるところだったよ。だから翌日は山小屋掃除してますって言って一人で留守番してたんだ(笑)」
「あ、アハハハハハハハ…」(脱力)
つづく。(もう眠い)