桜が散る前に


 二度と取り戻すことができないものへの思いを引きずっているうちに3年経ち、もうそろそろ大丈夫なんじゃないかと僅かな期待を胸に重く閉ざされていた岩戸をそっと開けてみては全く克服できていない自分に気づき、こんなことならもう…と、籠っているうちに5年、10年、15年と時は勝手に流れていくわけで。あらあら私いったい何やってるのかしら?という思いも別段なく、ま、こういう性分だとわかっているからそれについてはさほどの後悔もないのだけど。甥っ子、姪っ子たちの明るい未来に思いを馳せてみたり、相変わらず天使みたいな優しさを振りまいている人のことを間接的に知ったりしますと、なんかこう、ああ、春ですねって。





 4月になったら東京大神宮にでも行ってみようか、な。