サン=テグジュペリから(再掲)

fleurette2011-05-07



☆すれちがう愛情(2006.06.05)


こうして小さな王子さまは、愛する気持ちがおおいにあったにもかかわらず、じきに花のことを信じることができなくなった。気まぐれなことばを真に受けては、とてもみじめな気持ちに落ち込んでいた。

「あの花の言うことを、ぼくは聞いちゃいけなかったんだ」


(中略)


「ぼくはあのころ、なんにもわかっていなかった!ことばじゃなくて、してくれたことで、あの花を見るべきだった。あの花はぼくをいい香りでつつんでくれたし、ぼくの星を明るくしてれたんだ。ぼくは逃げ出したりしちゃいけなかった!あれこれ言うかげには愛情があったことを、見ぬくべきだった。花って、ほんとに矛盾してるんだね!でもぼくはまだ、あまりに子どもで、あの花を愛することができなかった」


(中略)


「そうよ、わたし、あなたを愛してる」花が言った。「知らなかったでしょう、あなた。わたしのせいね。どうでもいいけど。でも、あなたもわたしと同じくらい、ばかだった。幸せになってね……そのおおいは置いといて。もう、いいの」


星の王子さま』(河野万里子訳)より



☆ほほえみ(2010.02.22)


 ほほえみとはしばしば本質的なものだ。人はほほえみによってつぐなわれる。ほほえみによって報いられる。ほほえみによって生気づけられる。そしてまたほほえみの持つ質が人に命を捨てさせることもできるのだ。


『ある人質への手紙』より


今日の花 : バラ(ガブリエル)