『ランド・オブ・ザ・デッド』(2005)


監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:サイモン・ベイカーデニス・ホッパージョン・レグイザモアーシア・アルジェント


 夏休み最後の本日(私には全く関係ないが)、やっと近くにできたシネコンに偵察に行って来た。取り立ててみたい映画はなかったのだけど、見るなら『ランド・オブ・ザ・デッド』か『奥様は魔女』だよな、と的を2本に絞ってから所用を済ませるため外出。あとは気分次第ということで、結局ゾンビ映画を観ることに。ホラー映画なんて苦手のくせに、前に映画館で観たのって学生の時じゃないか?と思いつつも予告編がちょうど終わったところに飛び込むと、中は真っ暗で自分の席なんてちっともわかりゃしない。構わず空いてた端っこの席につく。途中なんども「うぎゃっ!」とか「をぇ!」をスクリーンから顔を背けて心の中で連発。

 お話のほうはわりとまともで、ゾンビ対生きた人間の戦いと街の支配者カウフマンが作り出した貧富の差など、新しい世界を創造するためにスラム街を出る指導者たちと生き残ったゾンビたちはどこか似ている。主人公のライリーの最後セリフ、「彼らも行き場を探してるんだ」と。

 セリフと言えば冒頭部分でちょっとオツムの弱いチャーリーがライリーに向かって「アンタも僕と同じバカだ」と言うと、ライリーは静かに「ああ、そうとも。お前と同じように役に立とうと努力してる」て言うんだよね。この返しに私のチキン・ハートはズキュンと撃ち抜かれました。人を尊重しいるからこそ出てくる言葉だよなーとか。きっとこのセリフのおかげで、安心して観られたのだと思います。子どもを殺すような無意味なシーンはなかったし。明日は「映画の日」ですからまたなんか観にいくかも。(本日はレディス・デー)


 で、帰りは向かいの某ホームセンターの食品売り場でたこ焼きとコーラを買って海へ。駐車場に止めて海を眺めながら食べていましたら、隣でディレクターズチェアに座っていたオッサンがサックス(?)を吹き始めましたわ。波打ち際でも散歩しようかと思いましたが、そのまま車から降りることもなく買ったばかりのTVブロスを読んでいますと『ランド・オブ・・・』が見開きで!「おお、観てきたばかりだよ!」と唸りながら斜め読み。この間の「ゴダール・ナイト」の時には、ふだんクラシックなんて全く聞かないのに当日たまたまラベルの『ボレロ』を聴いてから行ったのだけど、映画の中で『ボレロ』が流れる、流れる。いや〓、やっぱり何か映画とは切っても切れない縁があるんかなーとか、単純な私は思うのです。