雪の女王

fleurette2010-08-24



1957年 ソ連(ロシア) アニメーション
監督:レフ・アタマーノフ
ゲルダ:Y・ジェイモー
カ イ:A・カマローワ


 DVDで。アンジェリカで上映された時に観たかった…。
 アンデルセンの『雪の女王』を読んだのは、はるか昔、まだ小学生だった頃。たった一度しか読んでいないにもかかわらず、記憶している断片的なストーリーを大人になってからも時折思い出しては、ハーレクイーンロマンス(読んだことない)でも読んだかの如く、ため息をついたものでした。ああ。以下、私のためのあらすじ。


 家が隣同士の仲良しのゲルダとカイ。二人はずっと一緒にいられるようにと、ゲルダの白いバラとカイの赤いバラを一つの鉢に植え替えます。
 しかし、雪の女王の話を聞いたカイは暖炉に入れて溶かしてやると言い放ち、それを聞いていた雪の女王の怒りに触れ、ガラスの破片がカイの目に突き刺ささり、カイは乱暴で意地悪な子になってしまいす。そして女王に気に入られたカイは氷の城へと連れ去られ、ゲルダのカイ捜しの旅が始まります。
 カイの居場所を教えてほしいと、ゲルダは川に自分の靴を差し出します。しかしボートが運んだのは魔女の所でした。ゲルダを放したくない魔女は彼女の記憶を消し去りますが、庭に咲いていた赤と白のバラがゲルダの記憶を呼び覚まします。
 カラスに教えられ忍び込んだお城ではカイと王子を間違えてしまいますが、事情を知った王子と王女に手厚く助けてもらうことができます。
 が、今度は山賊につかまってしまいます。しかし今度も、山賊の娘が救ってくれます。たくさんの動物たちを捕らえてまるで王のように粗暴に振る舞っていた娘も、ゲルダの話を聞いてトナカイにゲルダ雪の女王の所へ案内するよう解き放ちます。そしてゲルダが発った後、娘は泣きながら動物を繋いでいたロープを断ち切ります。そして泣き崩れながら小さい声で「行かないで」と。
 (原作がどうだったかわかりませんが、なんという豊かな表現力でしょう!ええ、泣きましたよ。泣きましたともっ!)
 辿り着いたラップランドのお婆さん、そしてさらにお爺さんに助けられるゲルダ。お爺さんは言います。


もしかしたら、何よりも強いのは無欲の愛。
想いをつらぬくのだ!


 困難を乗り越え、やっと出会えたカイにゲルダは抱擁し、その涙がカイの目と心に突き刺さったガラスの破片を溶かします。もとの優しいカイに戻り二人が再会を喜んでいるところへ雪の女王が現れます。しかし、二度とカイを奪われたくないゲルダは全く怯みません。「カイは渡さない。消えて!」怒りを込めてそう叫んだゲルダ雪の女王は表情一つ変えずに見据えて聞いていましたが、やがて何も言わずに消えていくのでした。少女の純粋な想いが勝利したのです。


 こんなロマンティックな童話と一緒に特典映像として収められた『鉛の兵隊』は、小品ながらも秀作でもうちょっと大人の切ないラブストーリー。ジブリの宮崎監督の原点はこのアニメだそうですね。私は『雪の女王』のストーリーが好きなのでアニメのことは知らなかったのですが、この作品を観て、宮崎監督の思いと重なり合い、ああこういう思いっていうのは普遍なんだなあ、と思いました。
 あと実写版の『Lumikuningatar』(パイヴィ・ハルツェル監督)の映像が幻想的で美しかったのを朦朧とした頭で記憶しているので、何かの機会でまた放送してくれないかな。できれば深夜じゃなくて。 
 あ、ちょとだけなら動画があるのかな?