真っすぐ帰宅

fleurette2011-01-30



 昨日は渋谷で映画『愛する人』と『海炭市叙景』鑑賞後、午後7時半には友人宅へ移動した。途中メールすると迎えに行くとの返信あり。
 改札を抜けてロータリー付近を眺めてみたが、いない。しばらくすると「着いた?」との着信あり。もう一度辺りを見回しすと、改札前に立っている男性を発見。あれ〜、少し太った?と思いながら近づくと、完全に東南アジア系の外国人。目の前を交わして通り過ぎる。あぶねえ。
 再び回り込むと、改札手前の柱の陰から小さい男の子がひょいと顔を出した。目が合うとニッコリ微笑んで「フルさ〜ん!」と駆け寄って来るではないか。後ろには中学生になったおねいちゃんも歯を大きく見せて笑っている。


「あそこに立ってる外国の人をパパかと思っちゃったよ。あれぇ?ちょっと太ったかな〜?って!」


 二人ともげらげら笑い出す。路駐していた車に乗り込み、久しぶり〜と声を掛け合うと、すかさずT君が「ねえねえ、フルさんたら面白いんだよ!」と、人違いした話を繰り返した。子供と動物を興奮させるのは昔から得意である。
 自宅で待っていたNちゃんの手料理は相変わらず美味い。軽く飲んでから、久しぶりにUNO。それから子供たちをなんとか寝かしつけ、別室でサッカー観戦。就寝。
 翌日はおねいちゃんのSちゃんがバドミントンの試合で6時半に家を出るというので、頑張って起きてお見送り。というか、ドアをちょっとだけ開けてじっと見つめ驚かしたかっただけ。それから、2時間しか寝ていなかったので禁断の二度寝、再び起きたのは8時半だった。朝食、近況報告等のおしゃべり、Nちゃんは会社を辞め、今はフリーランスの仕事。M君は資格取得を目指し頑張っているようだ。感情を激しくぶつけ合うケンカをしていても、なんだかんだとちゃんと助け合っている。おもろい夫婦。
 午後、おいとまし結局武相荘に行くことにした。着いたのは午後3時半。入ってすぐ立派なクラシックカーが出迎えてくれた。その後ろには白洲次郎の大きなポスター。母屋には白洲夫妻のセンスのよい調度の数々。その一つ一つを丹念に見てまわる。裏手をぐるっとまわるささやかな散策路も。
 ショップの2階のビテオ上映は既に終了していた。何か記念に買いたいと思うがどれもちとお高い。そのうちちょっと立ちくらみがしてきて、焦りながらレジ傍にあった表紙が生地のメモ帳(1,050円)を買う。
 向かいのコメダ珈琲でカフェオレとプレーンドックの芥子抜き。バス停でリュックを背負った初老の「ちい散歩」みたいな御仁とおしゃべり。駅に着いて、帰りの高速バスのチケットを払い戻さなかったことを後悔する。ホームでは箱根湯本、強羅の文字ばかりが目についた。後ろ髪を引かれる思いを鶴川に残し、新宿、東京へ。チケットを20時半に変更。バスの中で爆睡し、22時半帰宅。
 集合ポストに投げ込まれた郵便物を取っていると、どこからともなく現れた黒猫が足元に擦り寄ってきた。寒いのかな?と思い「おいで」と呼んで、実家の玄関横に置いてある、ケンブには結局6ヶ月しか使って貰えなかった中型犬には大き過ぎる犬小屋の中に、古いカーペットを折り畳んで敷き詰め、ニャンコを中に押し込んだ。東京駅で買ったミニクロワッサンを一つ置いて。
 喰わえてすぐに飛び出してしまったが、小屋からはそんなに離れなかった。クロワッサンとクロネコを残し、荷物を持って私はアパートに。もうついてこない。ニャンコがいた辺りを見届けてから、私はゆっくりドアをしめた。