山頂にて凍えながら

U23最優秀選手賞のドンブロウスキー



 山頂、といっても山ではなく森林公園の中でなんだが低体温症になるかと思ったくらいの寒さでした。


 前日の天気予報では午前中は弱雨で午後から曇りとなっていたので、ま、大丈夫でしょ、と油断した。家を出る時にホッカイロを用意した方が良いかなと頭をかすめたのですが、傘の他にレインジャケットやゲーターも持ってきていたので当日の天気は確認もせずに朝4時半に妹宅を出発。現地に6時前に到着し、初めて車で来た2回目(1回目は電車とバス利用)の時と同じ、会場に一番近い有料駐車場(原っぱ?)に停めることができました。そこで7時半まで仮眠。この辺りから雨が降り出す。今回山装備で来たのは山頂ゴールで観戦したかったから。前回はあと少しのところで疲れてしまったので、今回は絶対山頂まで行くぞと決めていたのです。


 8時前、会場には人が集まり始めていたけれどオフィシャルグッズを売っているテントの前には一人もいなかったのでまだ販売していないのかと思ったら、中にいたおねいさんが声掛けを始めたのでいつものように混雑する前にプログラムを購入。そのまま山頂を目指そうと思っていたら途中でスタートを観戦するのに丁度いい場所を発見してしまい、時間はもてあましてしまうけれど、そこでスタートを観てから山頂を目指すことにした。この日のために用意し、デイパックにくくり付けてきた三脚の小さな椅子を広げて腰掛け10時のスタートまでやり過ごす。ほんと椅子をもってきて大正解。



 スタート前



 あっと言う間に駆け抜けていく選手たち


 スタート見届けた後は他の方に場所を譲るべく、サクッと荷物をまとめて山頂を目指した。なんだかすごい健脚になったな、と自分でも思うほど前を歩いていた人たちをグングン追い抜いて気がつけば山頂到着。



 まずは記念撮影。ここを3、6、9週目で一位通過した選手が山岳賞となるようです。



 3週目でトップで入ってきた人(後でCSSのマティアス・フリードマンと知る)






 5周回くらいまでは写真を撮っていましたが、雨はだんだんひどくなるしカメラを構えるのも辛くなってくるしで、これは撮影よりも応援だ!と、サッサとカメラは片づけてしまったのでした。雨だけでなく風も強くバナーを叩きつけ、その音はまるで遠雷のようでした。山頂まで早足で歩き汗をかいていたので体がいっそう冷えてきて、ほんとになんで今年に限ってホッカイロを持ってこなかったのだろうと。10月初旬のあの暑さのぶり返しが判断を誤らせたか。デイパックのカバーが入っているポケットの奥に、前回姉と登山した時につかったアルミシートがあることを思い出し、それを体に巻き付けなんとか腰だけは冷えないようにした。TVカメラスタッフの男性は凍ってしまったように項垂れて直立不動、時々軍手をつけた手で拳をつくると水がダーっと滴っていた。


 右隣にいた若い男性二人組の一人がこの悪天候に耐え切れず移動したいと言ったらしく、その相方が「俺はもう少しここにいたい…」と悲壮感たっぷりに呟いておりましたが、やがて二人の姿は見えなくなりました。私ときたら風が木々を揺らす度に大粒の雨に打たれては、プッと吹き出してしまったり。もうここまでくると笑っちゃうしかないのです。私もゴールスプリントを見るため下山したかったのですが、この悪天候を走っている選手のことを考えたら一番辛い上りでの声援を送りたい!いや送らねば!とか思って、最終回の最後のオフィシャルカー通り過ぎたの見届けてから下山したのですが、途中で必死に走っている選手に遭遇し「アレー!」と思わず叫んでしまいました。


 なもんで、ゴール地点に着いた時はすでに表彰は終わっていて、かろうじてヤングライダー賞に間に合ったという、ま、仕方ありませんね。昨年のジャパンカップのために買ったラジオも今年は家に置いてきてしまったので、本日ネットでリザルトを見て初めて優勝はマイケル・ロジャーズ、2位がジャック・バウアー、3位がプチプリンスことクネゴということを知ったのでした。まあ、どんな状況でも好きなことは楽しんじゃうほうなので、来年は鶴カントリーの方で観戦しようかな、と思ったりしています。


 ※リッチーたんは途中リタイアしたようです。いずれにせよ、今年はバッソしか識別できずに終わったのでした。