遠い夏の夜の


 やわらかい陽射しの中、海岸通りを走り抜ける。埠頭近くの交差点で信号待ちをしていると、近くに停まったサイクリングスーツをビシッときめた男性の口元が穏やかな弧を描いているのに気がついた。グラスの奥の視線の先には二人乗りした十代と一目でわかる若いカップル。あまりに無邪気で楽しそうで。Tシャツの中の華奢な背中しがみついた女の子のはじける笑顔と一緒に揺れるポニーテール。永遠だな、なんて思う初夏の頃。
 

 先週はPちゃんのお付き合いで残暑の東京へ。某アイドルグループのハイタッチ会とかで再び赤坂へ向かった。その前に渋谷のアニメイト?とかいうところへも。お盆休みの最終日だったせいか、殺意を覚えるような混雑ではなかった。


 そして来週はいよいよ十ウン年前の古巣へ。山の中で、未だに最寄駅からバスが一日2本しか出ていないことに驚いたり。マイカーで行くか飛行機か電車かと散々悩んで、結果、行きは夜行バスでいくことにした。夜行バスなんて、これまた十ウン年前にロンドンからパリ行きのナイトコーチを使って以来だ。青春ドリーム号、これが一番時間の無駄がなくて、おまけにちょっとした金沢観光もできる。ただ現地での宿泊先がまだ決まっていない。というか今から取れるんだろうか?キャンプ泊朝食付きで1000円とかいうのもあるけど、お風呂に入りたい…。どうなることやら。


 月曜日は普通に出勤なので日曜は早めに電車で帰るのだけど、最寄駅の町でちょうどお祭りがある。といっても夕方から始まるみたいなので、そのお祭り開催直前の雰囲気を味わいながらの散策程度ならできそうだ。ちょっと素敵な感じの女踊り。私もいつか踊りで参加してみたいな。帰りの電車は乗り継いで乗り継いで新幹線で東京着高速バスで帰宅という感じなのだけど、これもちょっと楽しみ。なんたって車窓からの景色が素晴らしいからね。ローカル線の電車の旅って好き。踊ることも好きなんだ。フラをしてて思い出した、異国の人たちと過ごしたあの真夏の夜のダンス、その地へ向かう。



 見たさ逢いたさ 思いがつのる

 恋の八尾は オワラ 雪の中